お墓のことは、日々の暮らしの中では、
なかなか話題にしにくいものかもしれません。
けれども、ふとした折に
「このお墓は、この先どうなっていくのだろう」
「自分が動けなくなったあと、誰が管理するのだろう」
と考えが浮かぶことがあります。
そうした思いが心に浮かんだときが、
墓じまいについて考え始める一つのきっかけともいえます。
この記事では、当山で永代供養や墓じまいについて
相談を受ける中で感じることを踏まえながら、
「いつ頃から考え始めるとよいのか」
を整理してお伝えします。
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墓じまいは「急いで決めるもの」ではありません
墓じまいという言葉から、
「もう動かなければならないのでは」
と感じる方もおられますが、
実際には、急いで結論を出す必要はありません。
多くの場合、墓じまいは
・気になり始める時期
・情報を集める時期
・家族と話す時期
・決断する時期
と、段階を踏みながら進んでいきます。
その中でも大切なのは、
**「元気なうちに、考え始めておくこと」**です。
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元気なうちに考えておくとよい理由
当山で墓じまいや永代供養についての相談を伺う中で、
次のようなお話を聞くことがあります。
・年を重ねてからでは、手続きが負担になった
・家族に任せきりになってしまい、気がかりが残った
・もっと早く話しておけばよかったと思った
元気なうちであれば、
・自分の気持ちを言葉にできる
・家族と落ち着いて話ができる
・永代供養など、選択肢を比較できる
といった点で、心にも時間にも余裕があります。
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墓じまいを考え始めるきっかけは人それぞれ
墓じまいを意識し始めるきっかけは、
決して特別なものではありません。
例えば、
・お墓参りが以前より大変に感じられた
・子どもが松江市外に暮らしている
・実家の整理をする機会があった
・永代供養という言葉を耳にした
といった、日常の中の出来事が
考えるきっかけになることがあります。
「こうなったら墓じまいをする」という
決まった時期があるわけではなく、
気になり始めたときが、向き合う時期ともいえます。
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永代供養という選択肢を知っておく
墓じまいを考える際、
あわせて知っておきたいのが永代供養です。
永代供養とは、
お寺が責任をもって供養と管理を続ける供養の形で、
跡継ぎの心配が少ない点が特徴です。
松江市でも、
・子どもに負担をかけたくない
・お墓を守り続けるのが難しい
・無縁になることが心配
といった理由から、
永代供養を検討される方がおられます。
墓じまいと永代供養は、
切り離されたものではなく、
これからの供養をどう続けていくかを考える中で
一緒に検討されることが多いものです。
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「考え始める時期」と「決める時期」は別でもよい
墓じまいについては、
考え始めたからといって、
すぐに決断しなければならないわけではありません。
実際の相談でも、
・今は情報だけ知りたい
・家族と話す材料がほしい
・永代供養について詳しく知りたい
といった段階の方もおられます。
時間をかけて考えることで、
「自分はどうしたいのか」
「家族に何を伝えておきたいのか」
が、少しずつ整理されていくこともあります。
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これからを安心して過ごすために
墓じまいは、
何かを終わらせるためのものではなく、
これから先を安心して過ごすための準備
とも考えられます。
元気なうちに少しずつ考え、
必要であれば永代供養という選択肢も含めて、
無理のない形を探していく。
それぞれの歩みや事情に合った考え方があり、
一つの正解があるわけではありません。
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おわりに
墓じまいについて考えることは、
これまで大切にしてきたお墓や、
ご先祖さまとのつながりを見つめ直す時間でもあります。
答えを急がず、
ご自身の気持ちと向き合いながら、
元気なうちに話しておくことが、
後々の安心につながります。